こんにちは、黒川あさひです。
この記事では「まとめノートの作り方の手順」についてお話ししていきます。
登録販売者試験では覚えることがたくさんあるため、
「まとめノートを作ったほうがいいのでは?」と考えている方もいらっしゃると思います。
とはいえ、いざノートにまとめようとしても「何を書いたらいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
また、ノートにまとめてはみたものの…
「結局テキストの丸写しになってしまう」
「ノートに書いたことがなかなか覚えられない」
という悩みが出てくるかもしれません。
私は公式LINE で登録販売者試験の勉強法についての相談を受けているのですが、まとめノートに関するお悩みは多いです。
公式LINE
この記事では「まとめノートの作り方の手順」を説明していきます。
具体的に言うと、以下のことについて説明していきます。
- そもそもまとめノートって必要?
- まとめノートを作る前に理解しておいてほしいこと
- 過去問から大事なところをノートにまとめる方法
登録販売者試験の勉強においてまとめノートを作ろうか悩んでいる方に、少しでも参考にして頂けたら嬉しいです。
目次
登録販売者試験の勉強においてまとめノートって必要?
そもそも、登録販売者試験の勉強において、「まとめノートは必要なのか?」という話なんですけども…
現段階で、「必要でないことのほうが多い」と考えています。
(実際にまとめノートを作った私が言うのもあれですが…)
その理由としては、「令和5年度の登録販売者試験に合格するための勉強法」という記事の中でもお話ししたのですが、
登録販売者試験の勉強方法が多様化しており、まとめノート以外の勉強の媒体がそろっているからです。
具体的に言うと、近年ではテキストや講義動画を使って勉強する方が増えています。
私が登録販売者試験を受験したのが2017年だったのですが、
当時は今みたいにテキストの種類も少なく、Youtubeの講義動画もほとんどありませんでした。
なので、自分で試験に出やすいところをノートにまとめ、暗記するための語呂合わせを書き足し…という作業をしていました。
現在は、テキストや講義動画だけで覚えられるような工夫がされています。
例えば…
・手引きの内容をかみ砕いで説明している
・イラストや図解が豊富
・覚えやすい語呂合わせを作ってくれている
今から勉強する方であれば、テキストや講義動画(と過去問)は必ずと言っていいほど使うと思いますので、
まとめノートを作らずに勉強できそうかを考えてみてほしいなと思います。
ただ、すべての方がテキストや講義動画で暗記ができるわけではありません。
多少労力がかかってしまったとしても、
まとめノートを作って暗記するほうが効率がいいと思うのであれば作ったほうがいいでしょう。
まとめノートを作る前に理解しておいてほしいこと
もし、「まとめノートを作って勉強しよう」と考えるのであれば、作る前に理解しておいてほしいことがあります。
それは、試験までどれくらいの時間があるのか意識しておくことです。
まとめノートは作るのに時間がかかります。
さらに、書いた内容を「覚える」のにはノートを作る以上の時間を費やさなければなりません。
もちろん、まとめノートを作って暗記することと並行して、過去問を解くことも必須です。
試験日から逆算して
「まとめノートを作る時間はあるのか」
「まとめノートを使って覚える時間はあるのか」
を考えてみてほしいです。
「せっかく作ったのに覚える時間がなかった~」では、悲しい結果になってしまいますので…。
まとめノートを作る時間と暗記をする時間を考えた上で、まとめノートを作るかどうか決めてください。
まとめノートを作るときに参考にするものは?
前置きが長くなりましたが、ここから実際にどうやってまとめノートを作っていくのかお話ししていきます。
まず、ノートをまとめるのに使うメインの教材に、私は過去問をおすすめしています。
なぜかというと、過去問に出題されている内容は本番の試験でも出題されやすいからです。
とはいえ、過去問に出ていることだけをまとめるのはなく、
過去問にはあまり出題されていないところも含めてバランスよくまとめる必要があります。
近年では、過去問では出題されてこなかった内容が突然出題されたり、
受験者が苦手とする漢方薬や生薬の範囲が今までよりも多く出題されたりと
過去問に出題された内容だけを覚えるのでは、本番の試験に太刀打ちできなくなっているのが現状です。
まとめノートにまとめる時は、 過去問に出たところだけではなくテキストも併用して、広く浅くまとめることが重要です。
では、具体的ににどういう手順にまとめノートを作っていくか順番に解説をしていきます。
過去問から大事なところをノートにまとめる手順(過去問を例に)
実際に登録販売者試験で出題された問題を例に、まとめノートを作っていきます。
下の画像の問題は、令和2年度の関西広域連合で出題された「瀉下薬」についての問題です。
テキストを開き、「瀉下薬」が載っているページを確認します。
(今回は「ユーキャン」のテキストを使いましたが、お持ちのテキストであれば何でも大丈夫です)
まず、瀉下成分の種類が何があるのかを見ていくと、大きく分けて6つあるということが分かるかと思います。
- 小腸刺激性瀉下成分
- 大腸刺激性瀉下成分
- 無機塩類
- 膨潤性瀉下成分
- ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)
- マルツエキス
はじめに紹介した過去問を見るとわかると思いますが、過去問には6種類の瀉下成分がすべて載っているわけではありません。
ですが、過去問に載っている成分だけでなく、この6つの成分は特に覚えるようにしてください。
次に、6つの成分の「何を」覚えていくかということですが、
過去問の選択肢を順番に読んでいくとわかりますので、順番に見ていきましょう。
選択肢a
「ヒマシ油は妊婦や3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされている」
という文章ですが、この文章で「ヒマシ油」という成分が出てきました。
ヒマシ油は、小腸刺激性瀉下成分に分類されます。
ヒマシ油が小腸刺激生瀉下成分であることは、選択肢の文章には書かれていませんが、重要であることはおわかりいただけるかと思います。
例えば「小腸」と「大腸」を入れ替えて出題される可能性もありますよね。
次に、「妊婦や3歳未満の乳幼児では使用を避ける」というところですが、この部分は使用する際の注意点ですね。
テキストを見ると、小腸刺激性瀉下成分の使用上の注意事項がたくさん書いてありますが、これを全部覚えるのはちょっと不可能に近いですよね。
なので、「妊婦・3歳未満は使用してはいけない」というところをまず押さえておいて、
それ以外は、これから過去問を解いていく中で覚えていけばいいです。
選択肢b
「刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は一般的に、腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発される恐れがある」
「刺激性成分」というのは、小腸刺激性成分と大腸刺激性成分を合わせたものです。
大腸刺激性成分も同じようにテキストに使用上の注意点が書かれていますが、小腸刺激性成分とかぶっているところが多いんですよね。
今回の「流産・早産を誘発する」も、小腸刺激性成分と大腸刺激性成分の両方の特徴です。
しかし、「3歳未満の乳幼児には使用してはいけない」という注意点は小腸刺激性成分のみ記載されています。
このような例外は、出題されやすいので覚えておくとよいです。
もう一つ、大腸刺激性成分の具体的な成分名は今回紹介した過去問では出題されていませんが、
- センノシド
- ピコスルファートナトリウム
- ビサコジル
の3つは覚えておきましょう。
選択肢c
「無機塩類は腸内容物の浸透圧を下げることで糞便中の水分量を増やす」
この部分は何を問われているのかというと、「機序」です。なぜ、瀉下効果があるのか?ということです。
テキストを見ていくと、「浸透圧を高めることにより糞便中の水分量を増加させる」というのが正解です。
浸透圧を高めるのか?下げるのか?というところが正誤のポイントとなるのですが、
丸暗記に頼るとややこしくなりやすいので、ストーリーで覚えていくとよいでしょう。
無機塩類というのは、塩類=塩と解釈します。
腸内に塩が入ってくると、町内の濃度が上がって外から水分が入ってきます。
濃いものを薄めるという状態が「浸透圧が高い」ということです。
水分が増えると、固い糞便がやわらかくなって出やすくなりますよね。
このように、なぜ便が出やすくなるのかを順を追って覚えていくと忘れにくいと思います。
また、無機塩類の具体的な成分名については、選択肢に出てきていません。
テキストを見ると、以下のような成分が載っていると思います
- 酸化マグネシウム
- 水酸化マグネシウム
- 硫酸マグネシウム
後ろに全部「マグネシウム」という単語があるので、とりあえず「何とかマグネシウム」ということを覚えておきましょう。
選択肢d
「マルツエキスは主に乳幼児の便秘に用いられるが、水分不足に起因する便秘には効果が期待できない」
この文章は正しいのですが、長いので前半と後半に分けて見ていきます。
「マルツエキスは主に乳幼児の便秘に用いられる」ということですが、
aの選択肢に出てきたヒマシ油は3歳未満が使用できないということがポイントでした。
一方、マルツエキスは乳幼児にも使用できます。ヒマシ油と対比して覚えておきましょう。
次に「水分不足に起因する便秘には効果が期待できない」は、テキストを見るとマルツエキスの唯一の注意事項なので、覚えておくようにしてください。
このように、選択肢の文章を細かく見ていくと、「何を」覚えなければいけないのかがわかってきます。
瀉下薬の問題を解く上で覚えておかないといけないのは、
- 具体的な成分名
- 機序(なぜ瀉下効果があるのか?)
- 使用する際の注意点
この3つです。
頭だけで考えるのが難しいという方は、別のノートや紙にざっと書き出してみるのもおすすめです。
私はこのように書きました。マーカーで色分けするとわかりやすいと思います。
ここまできたら、あとはノートにまとめるだけです。
今回は表でまとめてみました。
縦に 瀉下薬の成分6種類
横に ①具体的な成分名・②機序・③注意点
を書いています。
パッと見てスカスカな感じもしますが、あとから付け加えていけばいいのでこれくらいで十分です。
記事の内容は、Youtube動画でも試聴できます
補足
※ブログの記事では「まとめノートは必要か?」→「まとめノートの作り方」という順番で書いていますが、該当する2つのYoutube動画の投稿日は逆なので、この順番でリンクを貼らせていただきました。